今回のレンズ 18-270mm

夕映えの槍ヶ岳

夕映えの槍ヶ岳 写真と文:青野 恭典

目まぐるしく変化する光線状態に気を配りながら、飛騨谷から湧き上がる雲の動きをフットワークよく捉えてフレーミング。山稜を染める残照の変化にも迅速に対応して写す。広角から超望遠までの幅広い焦点距離の中から、この一瞬を42mmで切り撮った。

 

ニコンD5000・タムロンAF18-270mm F3.5-6.3 Di II VC PZD(42mmで撮影)・絞り優先AE(F11・1/30秒)・ISO200・WB晴天/北アルプス 樅沢岳山頂・午後5時35分頃

 

雲まとう一瞬と対峙

飛騨側から入山して槍・穂高連峰へとつづく山路には、独特の味わいがある。"裏穂高"と呼ばれる山深い佇まいの登山ルートから、秋の光景を求めて新穂高温泉から奥へ。まずは、槍や穂高の姿を映す池が美しい鏡平へと登り、今日の宿、鏡平小屋に着く。翌日は、さらに高みへと稜線を目指し双六小屋へ。小屋からの急登を1時間ほど、樅沢岳の山頂に立てば、西鎌尾根を従えた槍ヶ岳が眼前に迫る。

秋の山は日暮れが早い。午後5時前には撮影ポイントを定めて足場を選び、三脚やカメラをセットする。やがて頂稜が夕日に照らされ残照となる頃、千丈沢乗越を雲が越えて走るチャンスを狙った。まずは、やや広い範囲で画角を設定、雲の動きを見ながら、迫力のある構図を素早いズーミングで狙い、微妙なフレーミングで切り取る。さらに、縦位置で槍を引き寄せアップでも写した。夕暮れは光や雲の変化も早いが、このレンズなら山の光景に合わせ自由なフレーミングに集中できる。

青野 恭典(あおの・きょうすけ)

青野 恭典(あおの・きょうすけ) 1937年生まれ。山岳、海岸などの自然風景、ネイチャーフォトを写す。作品は多くの雑誌に発表する傍ら、写真集、ポスター、カレンダー、写真技術書も手掛ける。各種コンテストの審査、アマチュアの指導に活躍。個展、合同展多数開催。2002年長野県伊那市のかんてんぱぱホールに『青野恭典フォトアートギャラリー』が開館。
日本山岳写真協会副会長、(公社)日本写真協会会員、日本風景写真協会指導会員、ネイチャーフォト「青」の会顧問、野生動物救護獣医師協会会員。

かんてんぱぱホール『青野恭典フォトアートギャラリー』
http://www.kantenpp.co.jp/garden/aono/index.html

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