今回のレンズ 18-200mm

仏蘭西

仏蘭西 写真と文:湯沢 英治

画面の中に直線をどのように構成するかという中で、右上の対照的なアルファベットの滑らかな曲線がアクセントとなり、印象が有機的な表情となった。また、針のような飛行機雲を生み出していく先端に機体の存在が伺える。気配を情報として取り込む写真はとても面白い。その一瞬を20mmの画角で素早く切り取った。

 

ソニーNEX-5・タムロン18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC(20mmで撮影)・シャッター優先AE(1/320秒・絞りF16)・+0.3EV補正・ISO:200・AWB

 

巴里の造形と色彩

初めてフランスを訪れたのは、まだ充分に肌寒い三月だった。憧れの土地へ足を踏み入れた自分にとって、多くの写真家に撮り尽くされたPARISを自らの物にすることができるのかという緊張と、興奮とが入り交じった撮影の旅であったことを思い出す。

今回、再びフランスへ。季節は短い夏を終えようとしていた。新たに手にしたタムロン18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC(B011)をカメラに装着し、Tシャツ姿で通りを歩く。軽快だ。余裕は出会いを大きく変えてくれる。魅力的な建造物が建ち並ぶ街。興味は、教会、美術館、ショーウィンドウなど、人の手によって造られたものへ注がれる。

空の表情は刻々と変わり、突然降り出す雨によって道も壁の色調も一変する。これもある意味、好都合である。写真は、誰かと同じでは意味がない。気づけば空には、必ずといっていいほど飛行機雲がある。これも人により描かれているのだ。

若い頃からフランスという国へ強い関心を抱いてきたのは、ここで生み出された写真、絵画、建築といった、さまざまな芸術が、自分にとって強い影響を与え続けたからだ。それは、現在も変わらない。

湯沢 英治(ゆざわ・えいじ)

湯沢 英治(ゆざわ・えいじ) 1966年、横浜市生まれ。独学で撮影技術を学ぶ。広告、雑誌の分野で実績を積むかたわら、普遍的な事物をモティーフとした作品を撮り続け、個展も多数開催している。
表現の一環として2006年より動物の骨格標本の撮影を始め、2008年6月には初の写真集となる『BONES-動物の骨格と機能美』(早川書房刊)を出版。これがアートと生物学双方の観点から話題となって多くの新聞・雑誌で高い評価を得、2009年3月には渋谷PARCO LOGOS GALLERY(東京)にて「BONES?湯沢英治写真展」を開催。2009年5月には財団法人三宅一生デザイン文化財団 21_21DESIGN SIGHT 第5回企画展、山中俊治ディレクション「骨」に参加。2011年2月には、2冊目の写真集『BAROCCO-骨の造形美』(新潮社)を出版。2011年には、ニューヨーク写真誌『pdn』12月号で「BAROCCO」を紹介される。今回、タムロン18-200mm(B011)カタログ写真を撮影。
ホームページ= http://www.eiji-yuzawa.com/

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