しっかり身につく「明快」レンズワーク上達講座  閉じる閉じる
強いパースペクティブを活かして屋内外のスナップに使いこなそう
狭い室内でも余裕のフレーミング
ここ!と思った位置からさらに踏み込め
必要以上に絞り込まないのがコツ
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しっかり身につく「明快」レンズワーク上達講座  第1回 超広角ズームの表現力を120%活かす  
強いパースペクティブを活かして屋内外のスナップに使いこなそう

11mm側での作例 11mm側での作例
被写体にめいっぱい近寄ることで、よけいなものが画面に写らないようにすると同時に、遠近感を強調してみた。コントラストの高いシーンがメリハリよく再現されている。
ニコンD200・絞りF8・1/200秒・ISO100・AWB・RAW

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中間画角(14mm)での作例
中間画角(14mm)での作例
ズームではどうしてもズームの両端のみしか使わなくなりがちだが、被写体との距離感によっては中間の画角も活用したい。特に超広角ズームでは焦点距離が1mm変わってもパースペクティブが大きく変化するので、中間画角を使う意味は大きい。
ニコンD200・絞りF5.6・1/20秒・ISO320・AWB・RAW
18mm側での作例
18mm側での作例
被写体によってはあまり遠近感をつけずに、自然な描写を得たいときもある。その場合は18mm側にして、撮影範囲は距離で調節するといい。
ニコンD200・絞りF5.6・1/15秒・ISO320・AWB・RAW
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タムロンSP AF11-18mm F/4.5-5.6 DiII (以下、SPAF11-18mm)は、APS-Cサイズの撮像素子を搭載したデジタル一眼レフ専用超広角ズームである。
画面サイズの違いにより、フィルム一眼レフに比べて撮影画角が1.5〜1.6倍ほど望遠側へシフトしてしまうAPS-Cサイズデジタル一眼レフでは、フィルム一眼で定番超広角レンズとなる17-35mmズームでも画角的には標準ズーム相当になってしまうため、どうしても広角域が不足してしまう。しかし、このSPAF11-18mmレンズなら、35mm判換算で約17-28mm相当の本格的な広角撮影を楽しむことができ、デジタル撮影における広角不足を一気に解消することが可能だ。

狭い室内でも余裕のフレーミング
このくらいワイドな画角になると、撮影場所にほとんど引きのない場合でも被写体の全体を余裕でフレーミングすることができるため、雄大な風景はもちろん、建築物内部などの撮影にはもってこいのレンズである。もちろん、パースペクティブ(遠近感)が肉眼以上に強調されるという超広角レンズならではの特性を活かして、空間を立体的に演出したスナップ撮影などにも最適である。

1本でいろいろな被写体や撮り方に対応できるため、特に海外旅行などでは大活躍してくれるはずだ。レンズそのものがすごく小型軽量なので、なるべく機材をコンパクトにまとめたい撮影にも向いており、広角好きな人ならカメラに付けっぱなしにしておく常用レンズとしても適していると思う。

ここ!と思った位置からさらに踏み込め
このような超広角レンズを使う場合のコツだが、これはとにかく被写体に近寄ることである。昔から「広角レンズを使うときはここでいいと思った位置から被写体の方へさらに1歩踏み込んで撮れ」といわれているけれど、特に11mm側の超広角域では、さらに3歩くらい踏み込んで被写体に迫らないと、よけいなものが画面に入り込んだり、構成的に散漫になったりしてしまう。

また、画角が広くなるにしたがって、人間の感覚では画面の平行や垂直がとりにくくなるため、たとえば水平線や地平線などを撮る場合は画面が不自然に傾かないよう注意したほうがいい。逆に、被写体によってはあえて画面を大きく傾けて撮影することで、躍動感のある写真にすることもできるので、ぜひ試してほしい。

写真(4)A 写真(4)B 写真(4)C
画角比較作例データ
ニコンD200・絞りF5.6・AE・ISO320・AWB・RAW
A=11mm/B=14mm/C=18mm

必要以上に絞り込まないのがコツ
構図以外の使いこなしとしては、必要以上に絞り込まないことも重要だ。デジタルでは絞り込みによる回折現象(※)がフィルム以上に目立つため、不用意に絞り込んでしまうと逆にピントが悪くなってしまうからである。

絶対的な焦点距離が短いため、よほどの近距離撮影でなければ、F8程度でも十分に深いピントを得ることができるはずだ。適切な被写界深度を得られているかどうかは昔ながらの絞り込みプレビューを使ってファインダーで確認しても良いけれど、撮影した画像を再生してみればもっと具体的かつ正確に確認することができる。こういった点はデジタルの便利なところなので、ぜひとも有効に活用したい。

※回折現象(かいせつげんしょう)=回折とは光などの波が障害物の後方まで回り込む現象のこと。レンズを絞って口径を小さくしすぎるとこの現象がおきて解像力が低下する。


河田一規 河田 一規(かわだ かずのり)
1961年、神奈川県横浜市生まれ。10年間の会社勤めの後、写真家・齋藤康一氏に師事。4年間の助手生活を経てフリーに。雑誌等の人物撮影、カメラ雑誌での新機種インプレッション記事やハウツー記事の執筆、カメラ教室の講師などを担当。クラシックからデジタルまでカメラなら何でも大好き。