wonderful seasons 季節の一枚 閉じる閉じる
wonderful seasons 季節の一枚
朝光にいのち輝く 春・夏・秋・冬・・・。表情豊かな日本の季節を彩る自然風景、行祭事、暮らし。 各ジャンルのエキスパートたちが贈る、選りすぐりのワンシーンをご堪能ください。
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[奈良県]山口 高志
spacer 春日野のシカ[奈良県]撮影:山口 高志
ニコンD3S・タムロン SP 70〜300ミリ F/4〜5.6 Di VC USD (270ミリで撮影)・絞りF5.6・AE・-1EV補正・マルチパターン測光・ISO800・WB:晴天
<奈良市奈良公園/11月下旬>人の気配に顔を上げた雌ジカの輝く瞳。キャッチライトを逃さずに狙う。光量が少ない現場なのでISO感度を800に設定して、手ブレ防止機能を用いて瞳をシャープに現わす。
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「奈良のシカ」は奈良公園(春日野)を中心に現在、1,000頭以上いる。人によく慣れ、奈良風景の一部と言える存在である。シカの日常は夜明けとともに活動を始め、採食、仮眠を日に数度も繰り返す。芝や草の緑が乏しくなる晩秋初冬には、落ち葉や枯れ草、木の実や皮を食べる。イチョウの葉も好物のひとつ。11月末、散りイチョウが美しい奈良公園を歩くと、無心にイチョウを食べるシカの群れをよく目にする。

鹿子斑の美しい夏毛の姿とは異なり、冷え込みの厳しい奈良盆地の冬に備え、すっかり冬毛となった姿態は、堅く緊張しているように映る。人に愛護されている奈良のシカは野生そのものではない。が、自然に近い半野生での暮らしが生半可でないことは想像がつく。近づく人の気配に顔を上げた雌ジカに、春日山から昇る朝日が射す。芝芽や下草が燃えだす春まで、「頑張れ」の気持ちを籠めてシャッターを切る。
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山口 高志  ■山口 高志 (やまぐち たかし)

1951(昭和26)年、東京都生まれ。
1970年から、故・入江泰吉氏の撮影助手をつとめた後、1974年からフリーカメラマンとなる。35ミリカメラで日本の国立公園を中心とした、自然公園風景をメインテーマに撮影を続けている。
2005年からデジタルカメラを導入し、取材の中心となる。多数の著書がある。カメラ誌ほか各種フォトコンテストの審査もつとめる。
JPS(社団法人日本写真家協会会員)